サブスクビジネスを成功させるのはKPIと行動の紐付け、
Salesforceだけでは得られないユーザーヘルススコアを活用する(後編)

"先駆者に聞く"では、サブスクリプションモデルのビジネス(以下、サブスクビジネス)に携わる人に、サービスにおける運営の秘訣や大切にしていることなどを伺い、サブスクビジネスを成功させるヒントを掴むためのコンテンツをお届けします。

今回お話を伺った株式会社 Prazto(以下 Prazto)は、Salesforceを中心としたSaaS導入における課題の解決を支援する「SaaS導入コンサルティング事業」を展開しています。

同社はSI企業のように顧客の要望に応じてSaaSの導入支援をするだけでなく、SaaSの利用定着化までサポートし、お客様のビジネスの成功を支援しています。
そんなPraztoが支援する企業の多くは、自社でサブスクビジネスを展開して業界でも成長を続けている、SaaSのスタートアップ企業です。

前編に引き続き、サブスクビジネスを上手く進めるために必要なポイントや、これからサブスクビジネスを始める企業がどのようにアプローチすれば良いのか、Prazto代表取締役の芳賀怜史氏に話を伺います。

※本インタビューは2021年10月に実施されたものです。

Google Analyticsなどに蓄積されているユーザーヘルススコアのデータを活用するのが鍵

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オプロ

前編ではサブスクビジネスを展開している企業様の課題や、御社の伴走型支援についてお話を伺いました。続いては、サブスクビジネスを成功させるためのポイントについてお話を伺いたいと思います。

まず、サブスクビジネスを上手く進めるために取得した方が良いデータというのはありますか。

 
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芳賀氏

SaaSビジネスを展開される企業様において、なかなか取得が難しいとされるデータの1つが、ユーザーヘルススコアです。

SaaSはインターネット上のサービスなので、Google Analyticsなどを用いている場合には必要なデータが溜まっているはずです。
とはいえそのデータは標準ではSalesforceの中に入ってこないので、Praztoで取り込めるよう開発させていただくことがよくあります。

SaaSはユーザーが契約して終わりではありません。ですが、管理者が管理画面をしっかり利用しているか、チュートリアルを読んだところで止まっていないかなど、ユーザーの利用状況などの必要な情報をSalesforceにうまく取り込めていないのが多くの企業様の現状です。

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芳賀氏

また、お客様のSaaSによっても異なりますが、MRRがあまり大きくないような場合には、タッチポイントを設けてその利用状況を総合的に把握し、ヘルススコアのデータとしてSalesforceに取り込むこともあります。

例えば、カスタマーサクセス部門のご担当者からの要望で、「顧客の離反の度合いをどう可視化するか」という課題を例に挙げてみましょう。
これについては、「先月はかなりアクセスがあったのに今月はアクセスが大きく減っている」などの状況を見える化することで判断できるかもしれません。

ただし、ユーザー数が多いと、Google Analyticsにデータがあってもなかなか把握しきれないこともあります。こういうときにBIが生きてきます。
TableauなどはSalesforceの画面上に埋め込んで使うことができるので、CRMのプロセスの必要なタイミングでGoogle Analyticsのデータからユーザーの動きを見える化します。

先程の例だと、これが本来カスタマーサクセスの担当者が見たかったもので、それが適切なアクションにつながります。

Salesforceの顧客属性のデータとGoogle Analyticsなどの基礎データを上手く連携することで、新たな価値が生まれてくるのです。

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オプロ

サブスクのビジネスで成功するためには、どのような点にフォーカスすると良いのでしょうか。

 
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芳賀氏

Salesforceを活用していくためにも、ユーザーヘルススコアをきちんと可視化し、離脱されないようにしていくことは大事です。それと同時に、ユーザーに対するアップセルの機会も見逃さないようにします。

そのために、今までSalesforceでは取れていなかったユーザーのアクセス、行動のようなものをしっかり取り込んでいく。その際、Salesforceに手入力するのではなく、仕組みとして容易に可視化できるようにすることが重要です。

そして可視化する際には、全体感が見えるようにすることと、ユーザーの1社1社の状況が高い解像度で見えるようにすることが重要です。
それをカスタマーサクセス担当者の行動などと紐付けて管理できるようにします。

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芳賀氏

テクノロジーが進化すると、ユーザー1人のデータが非常に多くなります。
それらは手入力を遙かに超えるものになるので、マーケティングオートメーション(MA)やGoogle Analyticsなどから自動でデータを取得し可視化することは、大きなポイントになると考えています。

実際に成功している企業では、他に自社プロダクトのログデータのようなものも上手く取り込んで活用しています。
SaaSのサービスで提供している機能をユーザーがどのように利用しているかまで細かいレベルで見える化し、活用しているケースもあります。

今後のサブスクビジネスとPrazto

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オプロ

これからBtoBでサブスクビジネスをしていく企業は、どういったところからアプローチすると良いでしょうか。

 
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芳賀氏

そのような企業様では、ソアスクのようなサブスクリプションの管理サービスがあると、スクラッチ開発でサブスクリプションのモデルを作る必要がないので良いと思います。
ソアスクというベストプラクティスがあれば、TableauやCRM Analytics(旧名称:Tableau CRM)と組み合わせてKPIと行動の紐付けがしやすくなります。

レガシーなビジネスを展開してきたお客様に対し、サブスクビジネスではこういった指標があって、MRRが、チャーンレートが・・・と1から説明していくのは大変ですし、そこから行動に結び付けてPDCAを素早く回すのは難しいでしょう。

まずはソアスクのようなものでベストプラクティスを導入して、そこからSalesforceやBIで見える化をし、カスタマイズして、アクションに結び付ける。するとSaaSのサービスを新たに展開したい企業も入りやすいのではないでしょうか。

まず状況を見てみないとなかなか理解できないので、ソアスクでサブスクビジネスの全体像が見えるのは、大きな優位性だと思います。

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オプロ

最後に、これからのPraztoが注力するビジネスについてお聞かせください。

 
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芳賀氏

我々のコンサルティングのサービスは、業務委託の形式でお客様と同じ目線に立ち、Salesforceを通じてお客様のビジネス価値を最大化できるように効果的・効率的な支援を提供します。
お客様の社員の方には、自社のビジネスにおいてどんな情報を可視化すべきかという業務設計部分などの「お客様の社内でしかできない部分」を推進していただき、それをSalesforceでどう実装・実現するかという「Salesforceの専門知識やシステム構築に手間のかかるところ」をPraztoで支援します。

Praztoのサービスを上手く活用いただくことで、ビジネス施策のPDCAサイクルを加速させることができます。

様々な企業においても、様々な要因によってこれからは、より少ない人数でどんどんビジネスを回していかなければならない局面も多く出てくると思います。そんなときにこそ、お客様側には実現・解決すべき施策に集中していただき、その施策をSalesforceやTableauを活用してどう実現するかというところはPraztoにぜひお任せいただけたらと考えています。

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オプロ

今回教えていただいたポイントを踏まえてPDCAサイクルを回すことで、サブスクビジネスを更に加速することができますね。芳賀さん、貴重なお話ありがとうございました。

<プロフィール>

芳賀 怜史(はが さとし)

早稲田大学を卒業後、SIer、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と3社の経験の中でエンジニアリングを通じて多くのお客様の課題解決を行う。「伴走型のSalesforce導入支援によるお客様への価値の提供、エンジニアリングを通じたオーナーシップのあるキャリアの創出」この両立を実現する事業を展開する株式会社Praztoを創業し独立。創業から現在に至るまでリードコンサルタントとして従事。多くのSaaS企業のSalesforce組織の構築において、Salesforce組織のあり方の討議から実装までを一気通貫でご支援し成功に導く。

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