2023年10月30日 公開
サブスクを自社に導入すべき?メリット・デメリット・必要なシステムまとめ
通信技術の発達や「消費」から「利用」へといった社会意識の変化がサブスクビジネスの増加を後押しし、多くの企業がさまざまなジャンルでサブスクビジネスを導入していますが、サブスクビジネスを導入するには事前に十分に検討することが不可欠。もちろんメリットが大きいから導入するわけですが、導入を検討するにあたってはメリット以外にデメリットや特徴なども把握しておかなければなりません。
サブスクビジネス導入で検討すべきこと
サブスク導入のメリット
・売上が継続して計上され、経営が安定する
サブスクビジネスは一度顧客を獲得すれば売上が継続して計上され、顧客が増えていくほどに売上が積み上がっていくストックビジネス。どの程度の売上が見込めるかを事前に見通すことができるので、設備投資や採用も計画的に実施しやすくなり、経営が安定します。
・顧客を獲得するハードルを下げられる
「もの・サービスの販売」から「もの・サービスの利用」へとビジネスモデルを転換することにより、顧客が支払う初期投資額を低く抑えることができます。
初めて買うジャンルの商品・サービスで支出額が大きいと顧客は購入を躊躇してしまいますが、サブスクであれば初期費用を抑えることが可能。初月無料などのキャンペーンを行えばさらにハードルが下がります。
・顧客に提供できる選択肢を増やせる
サブスクビジネスを導入することによって、使いたいけど購入するまでもないと考えていた顧客に新たな選択肢を示すことができ、顧客獲得につなげることが可能。例えば「ずっと使う必要はないけど一定期間だけ利用したい」といった顧客の要望にサブスクで応えられれば、これまで失っていた潜在顧客にアプローチできます。
・顧客のデータを集めて活用できる
売り切り型のビジネスは「売ったら終わり」のため、顧客との接点が少ないのが欠点。販売方法によっては「誰に売ったのか分からない」といったことも起こりえます。
一方、サブスクビジネスでは名称や所在地をはじめとした顧客情報を登録してもらうのが一般的なので、契約時に顧客に関するデータを取得可能。所在地や業種、規模などの顧客の属性と売れている商品や利用のタイミングといった利用状況を分析することによってサービス向上につなげることができ、分析データはマーケティングや商品開発にも活用可能です。
サブスク導入のデメリット
・売上を積み上げ、経営を安定させるまでに時間が掛かる
サブスクビジネスは顧客が利用しやすい料金で、長期間サービスを利用してもらうことによって費用を回収するビジネスモデル。継続的に利用してもらい売上が増加すれば、経営も安定します。ただし、一定規模の売上に達するまではマーケティングやシステムなどに対する費用が先行してしまうことが欠点です。
・サービスプランの設定が難しい
顧客を獲得するには一定のコストを掛けて魅力的なサービスを提供しなければなりません。一方、利益を出すには売上がコストを上回る必要があります。
そのためには、提供するサービスの内容や価格と見込まれる顧客数や利用頻度とのバランスを適切に見極めることが重要。「価格付けを間違えたため固定費を回収できない」「利用頻度が想定より多く費用が売上を上回ってしまった」といった事態になれば、いつまでたっても赤字から抜け出せないことになってしまいます。
一度設定してしまったサービス料金の値上げは顧客離れの要因にもなるため、価格設定は慎重に進める必要があります。
・価格やサービスの競争が起こりやすい
サブスクビジネスを導入する企業は増加しており、いざ導入してみても競合相手が存在する可能性が高いでしょう。顧客が同分野のサービスを複数利用するとは考えにくいため、競争に勝つにはより魅力的なサービスを提供しなければなりません。競争力を強化するには、価格の見直しやコストを掛けてサービスを充実させるなどして差別化を図る必要があります。
人気の高いサブスクビジネスの特徴
・新たな価値を提供している
「より便利なサービスを使いたい」「課題を解決したい」など、サブスクを利用する目的は利用者によってまちまち。人気の高いサービスは、ユーザー目線に立ち、サブスクビジネスの特徴を活かした新たな価値を提供して、既存のサービスでは満たせなかった要求に応えています。
・絶えずサービスをアップデートしている
サービス内容がいつも同じで変化がないと、他のサービスに目移りしたり今のサービスが物足りなくなったりといったユーザー離れが起こる原因に。利用者に支持されるサービスは、利用状況や利用者の声を分析し、利用者の要望に応えられるようサービスを絶えず改善し続けています。
・パーソナライズに対応している
紋切り型のサービスは、いずれ利用者が不満を抱く要因に。顧客満足度の高いサービスは、複数の選択肢から選べるなどパーソナライズに対応しています。
解約されやすいサブスクビジネスの傾向
・ルールに柔軟性を欠いている
「一定期間だけ利用頻度を落としたい」「別のサービスを追加で利用したい」など、利用者が抱える事情はそれぞれ。利用回数や利用期間の制限などルールに柔軟性を欠いていると、利用者が不満を抱く原因となります。
・サービスにお得感がない
サブスクの大きな特徴は、一定期間に一定の金額でサービスを利用できるという点。「利用期間中にサービスを使いきれない」「サービスメニューに利用したいものがない」など利用者の要求に応えられない場合は契約するメリットを見出せなくなり、解約につながります。
・オペレーションに問題がある
サブスクビジネスに限った話ではありませんが、「顧客管理ができていない」「サポート体制が不十分で対応が悪い」などオペレーション面が疎かになっていると、利用者が不満を募らす要因となってしまいます。
サブスクビジネスを始めるために導入したいシステム
サブスクビジネスのメリット・デメリットを知り、いざ始めようとしても、何から手を付けて良いか見当がつかないかもしれません。
試行錯誤しながら進めていくのも良いですが、今はスピードが求められる時代。サブスクビジネスの導入を支援してくれるサービスやサブスクビジネスに特化したシステムがありますので、外部の力を借りて効率よく進めることも検討しましょう。
サブスクビジネス導入支援サービス
サブスクビジネスを導入するにはビジネスプランの設計から始まり、ビジネスの立ち上げ・オペレーション・料金の回収に至るまでさまざまなことを検討し、実行しなければなりません。
サブスクビジネス導入支援サービスを利用すれば、サブスクビジネスを始めるにあたって必要な管理システムなどのIT面、サービスの設計や体制構築などの非IT面の両方を支援してもらえます。必要なシステムをオールインワンで提供しているものもあるので、導入の際の手間暇を大幅に軽減できます。
サブスクビジネス導入支援サービスを利用するにあたっては、サブスクビジネスを始めるにあたり自社で何が課題となっているのかを洗い出し、抽出された課題を解決してくれるサービスを選ぶことが大切。サービスの豊富さや費用だけで決めず、自社に必要な支援が受けられるかどうかに着目して選びましょう。
サブスクビジネス管理システム
サブスクビジネスに関する業務に特化した「サブスクビジネス管理システム」も複数提供されています。
サブスクビジネスで必要な業務は契約管理や日々のオペレーション、請求管理など。Excelなどで管理する方法もありますが、サブスクビジネス管理システムを導入すれば、これらの業務を自動化・効率化できます。また、KPIや予実管理が自動化できるのも大きな魅力です。
サブスクビジネス管理システムを選ぶ際のポイントは、利用できる機能や自社が使っている外部システムと連携できるか、費用や料金体系など。顧客数が少ないうちはシステム利用料の方が高くつくこともあり、必要な機能がなければ自前で構築する手間も掛かってしまうため、「システムを使って何がしたいのか」を明確にしてから機能を比較検討するようにしましょう。
サブスクビジネス決済システム
サブスクビジネスでは定期的に課金が発生します。課金を行うためには顧客ごとの契約内容や請求の管理などが必要ですが、顧客が増えていくにつれ業務が煩雑化していき、Excelなどでの管理が困難になってきます。
サブスクビジネス決済システムを導入すれば、代金の請求・回収を確実に行い、請求漏れのリスクを回避し、業務を一元化することが可能です。
導入費用やランニングコストのほか、外部システムとの連携機能や導入するサブスクビジネスのサービス要件を満たす機能が揃っているかを比較検討して選びましょう。
注目のサブスク管理システムとは?
数あるサブスク導入のためのサービスやシステムの中から、「2022年人気のあったAppExchangeアプリランキング」で多くの企業にご支持いただいている「ソアスク」をご紹介します。(中小企業部門:新規導入件数2位|中小企業部門:売上ランキング4位|大企業部門:新規導入件数5位)
ソアスクは、BtoBサブスクの販売管理業務に必要な機能を提供するサービス。
見積・契約・売上・請求の業務プロセスを効率よく進めることができるほか、Sales Cloudをご利用中であれば既存の商談情報に紐付けてサブスク管理を行うことも可能です。
会計サービスや債権管理サービスとの連携も可能なので、各部門の活動、情報連携の仕組み化を Salesforceプラットフォームを中心に実現できます。
オフィス家具や植栽、デバイスなどの有形SaaSに関しては、機器管理やメンテナンス・回収などの作業管理なども必要となりますが、こうしたモノのサブスク管理に有効なのが「モノスク」です。
サブスクビジネス提供者は、「モノスク」でモノの仕入れから受注を受けての出荷、設置などの作業状況を一貫して管理することが可能。一方、契約者もマイページから契約状況や請求金額の確認、提供者へのサポート相談が可能で、双方ともに利便性の高いシステムとなっています。
ソアスク・モノスクを提供しているオプロは、サブスクビジネスの導入を検討している方のために【サブスクビジネスを成長させるための3つの秘訣】について詳しくご紹介するセミナーを実施しています。
ご視聴はもちろん無料。お申込みいただいた後、お好きな時に・お好きな場所で再生が可能なオンデマンド配信でご提供していますので、お気軽にお申し込みください。
サブスクビジネス導入前に知っておくべきこと
サブスクリプションビジネスとは
サブスクリプションとは「定期購読、継続購入」という意味。そして、サブスクビジネスとは「決められた期間に一定の料金を支払うことにより一定期間、継続的に製品やサービスを利用できるサービス」を指します。
インターネットなど通信技術の発達や「所有」から「利用」といった社会意識の変化の中で、サブスクビジネスの需要は右肩上がりに増加中。例えば、マイクロソフトやアドビなども自社製ソフトを売り切り型からサブスクリプション型へとシフトしています。
サブスクの市場動向
一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会が発表した矢野経済研究所の調査によると、サブスクリクションサービスの国内市場は2019年度に6,828億円、2020年度に8,759億円、2021年度に9,965億円(予測)、2022年度に1兆769億円(予測)、2023年年度は1兆1,490億円(予測)と右肩上がりに伸びていくと予測されています。
事業者にとって売上が安定する(=経営が安定する)というメリットは非常に魅力的。そのため、今後もサブスク市場の規模は拡大していくと見込まれています。
※参照元:矢野経済研究所「サブスクリプションサービス市場に関する調査」
サブスクビジネス導入を成功させる秘訣
サブスクビジネスを成功させるためには、いかにしてサービスを継続して利用してもらうか、つまり「解約率を下げるか」が非常に重要なポイント。新たに顧客を獲得するには時間と労力が掛かり、減った利用者をすぐに穴埋めすることは難しいからです。
継続して利用してもらうためには、利用者の満足度を上げることが大切。利用者の満足度を上げるために重要なのは、サービス内容を充実させ継続するメリットを明確し、複数のプランを用意して希望に合ったサービスを選べるようにすること。また、顧客管理や請求管理といった日々のオペレーションを円滑に進めることや、決済の簡便さや安心感を向上させることも大切な要素です。
成功を目指すあまりついサービス面ばかりに目がいってしまいがちですが、使いづらさを感じさせると顧客の満足度はすぐに下がってしまいます。そうならないよう、日々のオペレーションなど目立たない業務にも目を向ける必要があります。
サブスク導入の3つの壁とその対策とは
<1.100社の壁>
まずは契約社数を増やそうと尽力し続けたものの、100社にもなると管理や運用面が煩雑になり、パフォーマンスが低下してしまいます。
対策としては、請求漏れや売り上げ分析のためのレポート作成などの日々の業務を標準化させることが必要。運用フローを見直して効率化を図る、ExcelやAccessによるデータのマスタ化とそれに伴うKPIの可視化などが有効です。
<2.500社の壁>
順調に契約数が増えたものの、同時に解約数も増えてしまう...。顧客が増えればニーズが多様化し、そのニーズに応えきれないことが解約増を招きます。
対策として必要なのは、カスタマーサクセスの実現。ユーザーの利用状況を把握してニーズを分析し、解約阻止やアップセル・クロスセルを適切なタイミングで実施したり、契約内容をすばやく把握し、更新や変更にスムーズに応えられる仕組みを作ったりといったアクションが必要です。
<3.1000社の壁>
事業規模が拡大するにつれ、分業化が進みさまざまな部門が事業に関わることになります。
ここで問題となるのが、部門ごとに管理手法が異なり、連携が不足するといった事態。これを回避するには、組織の全体最適化が必要です。
営業・契約・請求・顧客の利用状況の把握といったサブスク事業にまつわる業務を一元化し、内部統制を強化することで生産性の向上に繋がります。
BtoBサブスクビジネスの販売管理は「ソアスク」
サブスク管理システム「ソアスク」なら、サブスクリプション型ビジネスの販売管理における、見積、契約、売上、請求等の業務プロセスとビジネスのKPI可視化を効率化します。