2020年09月09日 更新記事
カスタマーサクセスとは何か?注目される理由を解説

「カスタマーサクセス」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
カスタマーサクセスは、直訳の通り「顧客の成功」を意味します。
サブスクリプション型ビジネスの増加に伴ない、顧客への新しいアプローチ方法としてアメリカや日本でも注目されています。
カスタマーサクセスとは何か?また、昨今カスタマーサクセスが注目される理由などについて解説します。
1.カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスは、顧客に能動的に提案や助言をしながら、顧客の事業の成功に向けて伴走します。
顧客の事業成功を実現し、継続してサービスを利用してもらうことで、自社の収益や成長にもつながるというWin-Winの関係を築くことが可能です。
2000年初頭より、いち早くカスタマーサクセスへの取り組みを開始したのは、セールスフォース・ドットコムで、日本法人においても2005年頃にカスタマーサクセスの部署ができました。
Salesforceの4つのコアバリューには、創業時から変わらず「カスタマーサクセス」が含まれており、以下のように定義されています。
❝
Salesforceの成功はお客様の成功があってこそ。これからもお客様とともに成功し、成長し続けます。
❞
出典元:企業文化 | セールスフォース・ドットコム |https://www.salesforce.com/jp/company/careers/culture/
カスタマーサクセスは、主にサブスクリプション型サービスを提供する企業にとって、必要不可欠な存在であることがわかります。
2.カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」には明確な違いがあります。
「カスタマーサポート」は、顧客からの問い合わせやトラブルに対して受動的なサポートをすることで顧客の困りごとを解決に導きます。
指標は、対応件数・顧客満足度など。
「カスタマーサクセス」は、顧客からのコンタクトを待つのではなく、
能動的にサービスの提案などを行い、長期にわたり顧客の事業成功に向けて伴走し続けます。
顧客の事業成功が、自社にとっても継続率の向上・解約率の減少などを通して収益となり、双方にとってWin-Winの関係を実現することが可能です。
指標は、売上・契約継続率(解約率)など。
このように「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」は、顧客に支援を行うという意味では共通していますが、目的や指標、顧客への対応方法に大きな違いがあることがわかります。
3.カスタマーサクセスが注目される理由
近年、カスタマーサクセスが注目されている理由にはどういった背景があるのか、
カスタマーサクセスの重要性や役割を解説します。
カスタマーサクセスの重要性
カスタマーサクセスという言葉が重要視されるようになったのは、サブスクリプション型のサービスが増えたことに関係しています。
サブスクリプションサービスは、新規顧客を増やすことで安定した収益を確保できるビジネスモデルなので、顧客に契約を継続してもらい、いかに解約率を抑えるかが重要になります。
カスタマーサポートのように、受け身で顧客からのコンタクトを待つのでは顧客の気持ちが離れてしまう可能性があるため、能動的に顧客にアプローチし、顧客の目標達成や課題解決に向けて伴走するカスタマーサクセスが必要とされています。
カスタマーサクセスの役割
顧客の目標達成や課題解決に向けて伴走するカスタマーサクセスの存在が重要視されていると前述しましたが、具体的にどのような役割を求められているのでしょうか。
大きく分けると、2つの役割があります。
-
チャーンレート(解約率)の引き下げ
サブスクリプションサービスにおいて非常に重要な指標である解約率を引き下げることもカスタマーサクセスの重要な役割です。
蓄積された顧客データ分析などから、顧客が潜在的に求めているものにいち早く気づき、能動的に施策を提案し顧客を成功に導くことが、契約継続、解約率の引き下げにつながります。
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LTV(顧客生涯価値)の最大化
LTVとは、顧客生涯価値のことで、1人の顧客が取引開始から終了までに企業が得られる収益の総額を算出したものです。
この収益をより上げるために、既存の顧客に対しアップセル・クロスセルという営業手法を使って、顧客単価をアップさせることが必要になります。
アップセル:現在契約しているサービスより高額サービスへのアップグレードを促すこと
クロスセル:契約中サービスに関連するサービスを紹介し、新たな購買へとつなげること
4.まとめ
「サブスクリプションサービス」と「カスタマーサクセス」は、密接な関係にあることがご理解いただけたかと思います。
近年、サブスクリプションビジネスは多様化しており、今まで導入されていなかった業態からも、サブスクリプション方式への転換がされています。
顧客の成功体験が自社の収益につながるという、双方にとってメリットとなる営業的な視点からも、カスタマーサクセスは今後さまざまな企業や業界で必要とされると予測できます。
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