サブスク事業は約半数が既存ビジネスからの移行
64%が「サブスクリプションビジネスをはじめて良かった」と回答

サブスクリプションビジネスに関する実態調査を公開

さまざまな業種業態のサブスクリプション型サービスが拡がりを見せ、「サブスク」という言葉が多くの方に認知されるようになってきました。サブスクリプションビジネスは、今後さらなる市場拡大が予測されています。そこで、サブスクビジネス研究所では、サブスクリプションビジネスを展開している企業のサービス提供状況や、バックオフィスの管理に関する課題、管理システム導入状況などについての実態調査を実施しました。

サブスクリプション型サービスの提供状況

サブスク型の事業をしている企業は約3割

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「サブスク」を利用する消費者や企業が増える一方、サブスクリプション型の事業を自社で提供している(する予定含む)と答えた方は全体のうち32%でした。事業としてサービス提供している企業はまだ多いとは言えません。現状は、新規事業の立ち上げ、もしくは自社の商品・サービスがサブスクのビジネスモデルに適用できるかを模索・検討している企業が多いと考えられます。

以降はサブスクリプション型の事業を「している」「する予定」と回答した方の調査結果を見ていきます。

企業が提供しているサービスはSaaSが圧倒的

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提供している(する予定)サブスクリプション型サービスの内訳は、「SaaS(ソフトウェア提供)」が135人と、圧倒的に多い結果となりました。これはSaaSがインターネットを介して提供するサービス形態であるため、導入が比較的容易であることが要因のひとつではないかと考えられます。また、SaaSを利用することで、企業は、顧客の利用実績データを取得し分析やサービス向上に活用することができます。そのための機能実装も比較的実現しやすいことから、サブスクビジネスをはじめやすいサービス形態であると言えるでしょう。

サブスク事業は「新規ビジネス」と「既存ビジネス」がほぼ二分

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サブスクリプション型の事業が「新規ビジネス」か「既存ビジネスからの移行」かを聞いた質問では、「新規ビジネス」が51%、「既存ビジネスからの移行」が49%という回答結果となりました。
新規ビジネスとして新しいサブスクサービスを立ち上げる場合、ユニークなアイディアを採用することができる、成功すればビジネスの裾野が広がるといったメリットがある反面、開発コストがかかる、軌道に乗るまである程度時間を要するなどのリスクがあることを認識した上ではじめることが求められます。
一方、既存ビジネスをサブスクモデルに移行する場合、既存のノウハウやブランド力を流用できる、ビジネスの早期立ち上げがしやすいといったメリットがあります。またコスト面においても、既にある商品・サービスをそのまま流用できるケースが多く、開発コストを削減してビジネスをはじめることができるのも利点となるでしょう。

続いて、サブスクリプションの管理面における課題、管理システムの導入状況、そしてシステムに求められる機能について調査結果を見ていきます。

管理面の課題とシステム導入状況

管理面の課題は「契約変更・更新」「価格の管理」が1位2位

Q4.サブスクリプション管理のどの業務に課題を感じていますか? (複数回答可)

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サブスクリプション管理のどの業務に課題を感じているか?という質問には、「契約変更・更新」「価格の管理」が回答の上位1、2位を占める結果となりました。サブスクリプションモデルは利用者側のメリットとして、

  • 利用者の要望に合った料金プランを選ぶことができる
  • オプションを組み合わせてカスタマイズできる
  • プランの変更、解約がすぐにできる

などがあげられます。

 

一方で事業者側は、これらの顧客ニーズに柔軟に対応していかなければなりません。さらに、フリーミアムや割引、サービスの一時停止など、継続して契約してもらうためのプラン設計をする必要があり、結果として一つひとつの契約内容が複雑になってしまうという問題が発生します。

次いで回答が多かったのが、「請求業務」「受発注の管理」といった販売プロセスに関する業務です。

サブスク管理においては、これらのボトルネックを解消することでバックオフィス業務が大きく改善すると言えるでしょう。

 

サブスク管理システムの必要性は約4割にとどまる

Q5.サブスクリプションビジネスを管理するシステムを導入していますか?

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サブスクビジネスを管理するシステムの導入状況については、約4割の企業が「導入している」または「導入を検討している」という結果となりました。サブスク管理システムの導入によって、収益の可視化や業務効率化が実現できます。導入企業は、サブスク管理は通常の販売管理とは違う仕組みが必要と認識していることがうかがえます。

一方、「導入予定なし」と回答した企業は6割弱となりました。これらの企業は、まずはサービス提供を優先し、管理は事業が立ち上がってきてからと考えているか、あるいはExcelなどで別管理している実状があると見ています。

 

契約更新や請求業務を自動化する機能がシステムには必須要件

Q6.サブスクリプション管理システムに求める機能を教えてください。 (複数回答可)

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サブスク管理システムに求める機能については、「契約の自動更新」や「請求処理の自動化」「柔軟な料金プラン設定」「売上・利用実績の可視化」などの回答が多い結果となりました。これまで手動で管理していた必要不可欠な機能の自動化が、今後、サブスク管理システムに求められていることがうかがえます。

これらの機能が、いかに高機能で使いやすいものになるかが、システム選定を左右する重要なポイントのひとつになっていると言えるでしょう。

 

サブスクをはじめるべきか否か?―サブスクリプションビジネスを検討している方へ

64%がサブスク事業をはじめて良かったと回答

Q7 . サブスクリプション型の事業をはじめてよかったと思いますか?

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サブスクリプション型のビジネスをはじめて良かったと思うと回答した方は64%で思わないと回答した方は0%でした。

「どちらとも言えない」と回答した方が37%となりましたが、これはサブスクに向いているビジネスと、そうでないビジネスが存在することに起因している可能性があります。

一概には言えませんが、サブスクに向いているビジネスの特徴として、カスタマーサクセスを実現できるサービス形態であることがあげられます。

具体的には前述したSaaSのような、顧客の利用実績データを取得し、以下のように活用できる仕組みを持つものが適していると言えます。

・サービス改善に活用

・アップセル・クロスセル提案ができる

・サービス利用が減少傾向にある顧客を検知し解約防止策を講じれる

 

SaaSに限らず顧客の利用実績を把握することができる商品・サービスは多く存在します。カスタマーサクセスを実現できるビジネスは、顧客に継続して利用してもらいやすくサブスクに向いているビジネスと言えるため、サブスク展開を検討してみてはいかがでしょうか?

 

ここまで、事業者におけるサブスクリプション型サービスの提供状況および管理面の課題、システム導入状況などについてお伝えしてきました。

ビジネスの未来を大きく変える可能性を秘める「サブスク」ですが、従来型のビジネスとは異なる課題が多くあることがわかりました。

しかし、見方を変えれば、これらの課題に対して事前に備えておくことで、バックオフィス業務が逼迫することを未然に防ぐことができると言えます。

今回の調査結果ではサブスクリプション型サービスを提供していない事業者が多い結果となりました。しかし、サブスクリプション型の事業をはじめて良かったと6割強の方が回答していることから、そのメリットが浸透することにより、今後ビジネスの広がりが望める市場と言えるでしょう。

そして、サブスクリプションビジネス展開におけるさまざまな課題には、サブスク管理システムの導入が有効な対策のひとつになると思われます。

 

本調査の結果を無料公開することにより、皆様が現在提供しているサブスクリプション型サービス、またはこれから事業をはじめる方にとってビジネスのヒントとなれば幸いです。

 

 

弊社ではBtoB向けサブスクビジネスの販売業務を管理するプラットフォーム「ソアスク」を提供しています。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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◇調査概要

  • 調査名:サブスクリプションビジネスに関する実態調査
  • 調査方法:オンライン上でのアンケート
  • 調査期間:2021年1月5日~8日
  • 調査対象:国内企業の事業部門またはIT部門に所属し、自社のサブスクリプションビジネスの現状および今後の計画について理解している個人
  • 社数:522社
  • 業種割合:
  • 有効回答数:604名
  • 調査実施:株式会社オプロ

 

 

◇調査データのご利用に関して

本記事における著作権は、株式会社オプロに帰属します。

本記事の引用・転載については、「出典:『サブスクリプションビジネスに関する実態調査』サブスクビジネス研究所(20211月調査)」と明記してご利用いただくようお願いいたします。

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